紹介予定派遣とは、企業との最大6ヶ月の派遣期間を経て正社員か契約社員の派遣先企業の直雇用になるタイプの派遣のことをいいます。
自分がここでずっと働きたい・企業もここでずっと働いてほしいという合意があれば、派遣社員から正社員になるチャンスがあります。
わたしは紹介予定派遣を2回経験しました。
6ヶ月間派遣社員として働いたのち、面接を経て両方とも契約社員として採用されそのまま直雇用に切り替わりました。
現在はどちらの会社も退職。
正社員になりたかったからわざわざ派遣の仕事を切り替えて紹介予定派遣を選んだので、結果としては不本意でした。
時間をムダにした!!バカにすんじゃねぇ!!
とハラワタが煮えくり返る思いも経験しました。
ちなみにわたしが紹介予定派遣を探したのは2008年です。
2003〜2007年は成長率が1%を超え経済が成長していた時期だったので景気が上向きという状況はいまと近いものがあります。
これから紹介予定派遣を考えている人はじっくり考えてから選択してほしいです。
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紹介予定派遣案件の見極め方
紹介予定派遣はスキルに特化した案件は少ない
紹介予定派遣の最終目的は「企業の一員として働くこと」です。
そのため通常の派遣案件と違って、
- ○○の経験がある人
- ○○のソフトウェアが使える人
といった特定のスキルを必要とされるような案件は少ないです。
むしろ何があっても柔軟に対応できる人のほうが企業にはありがたがられます。
わたしが紹介予定派遣の仕事を選ぶときも、自宅から無理なく通勤できるエリアを考えると業務経験から選べる仕事は限られました。
当時はやりたいことができなくなっても正社員になって世間に一人前と認められたい気持ちのほうが強かったので、やりたい仕事ではなくできる仕事で妥協しました。
私の場合は一般事務・ユーザーサポート・ヘルプデスクの業務経験が活かせそうな仕事を探しました。
契約社員になる可能性があるものは避けよう
紹介予定派遣は「正社員化前提」のものを選ぶようにしましょう。
「正社員になるチャンス」や「正社員登用あり」といった表現は契約社員から正社員へ切り替えるハードルが高いことを意味しています。
エントリーするのは例え契約社員になる可能性があったとしても「この仕事をやりたい」というときだけにしましょう。
紹介予定派遣案件の職場見学(面接)
通常派遣より「人となり」をチェックされる
紹介予定派遣の面接はこれからずっと働くかもしれない人の採用面接になるので、人となりを重点的に見られていたように感じます。
- 会話のキャッチボールがちゃんとできる人なのか
- 提出された職務経歴通りの経験があるのか
といったところを確認されるような面接でした。
面接自体はこれから一緒に働くであろう上司とその上の課長あたりが出てくるので、重苦しいものではありませんでした。
2社目は社員が100人以内の小さな会社だったので社長が出てきましたが、社長のフランクな人柄もあって圧迫感はなし。
2回の紹介予定派遣とも中1日程度ですぐ就業が決まりました。
就業してからの期間がずっと選考期間のようなものなので、派遣でとりあえず働いてみましょうとなるハードルは高くないように感じました。
派遣期間中に心がけること
派遣期間中はとにかくマジメに仕事をする
派遣としての就業中は、いわゆるマジメに仕事をこなしましょう。
マジメに仕事するのは当たり前ですが、長丁場になるのでつい忘れがちになります。
- ランチに誘われたらなるべく断らずに一緒に行く
- 単純作業は早く終わらせるように作業する
ということは意識してやっていました。
選考の対象になるのは同じ部署の評判だけではありません。
仕事で関連する他の部署や他のチームと連絡はメールだったので、とにかく速くレスポンスをすることは心がけていました。
チームの中で「この人と仕事しやすい」と思ってもらえるように自分ができることを日々積み重ねていた感じです。
直雇用の面接は採用試験並みの緊張感
派遣期間6ヶ月が終わる2ヶ月前くらいに、派遣会社を通じて希望を聞かれました。
直雇用を希望してからは派遣先の会社主導で選考があります。
正社員化の場合は採用試験並みの選考がここからはじまると思ってください。
わたしがいた会社はTHEお堅い会社だったこともあって、面接には人事担当者とかそれはもう性格の悪そうな人が出てきました。笑
肝心な面接では、6ヶ月近く働いてようやく正社員面接まで来た、それだけでかなり緊張してしまって聞かれたことに対してうまく答えられませんでした。
そのときにあからさまに「こいつ使えねえな」という顔をしたその人事の顔はいまでもよく覚えています。
あーだから面接ってイヤーと思いながらなんとか終わり、結局「契約社員なら雇います」という返答が派遣会社からありました。
6ヶ月もかかって結局契約社員かよ、とがっかりしましたが、その時点ではかといって他にやりたい仕事がない状態だったのでそのまま受け入れることにしました。
紹介予定派遣から正社員になった人の特徴
会社は会社に足りない人材が欲しいんです。同じような人は要らないのです。
英語がネイティブ並みにできた人
わたしの派遣先は完全たる日本企業から外資系の出資が増えていたこともあり、当時の社員には少なかった英語ができる人材集めに積極的でした。
TOEIC650程度では正社員で外資系会社になっていくであろう会社がこれから採る人材としては英語力は足りないと判断されたと思います。
これは上司からもはっきりいわれました。
同じ時期に「アメリカの大学を卒業して英語できます」というフレコミで紹介予定派遣として入ってきた人はすんなり正社員になっていました。
英語、プログラミングなどのスキルは「抵抗がない」レベルではなく、肩書としてその人の売りになる状態になっていないと採用を勝ち取る武器にはなりません。
特にこれといったスキルがない場合は運!
派遣期間が終了する6ヶ月先はどうなっているか、景気も会社の動向も成長企業であればあるほどわかりません。
紹介予定派遣で採用してくれた時の上司が正社員の採用試験を受ける頃にはもう部署にいないこともありえます。
わたしの場合は、
- 同じ立場で同等スキルの契約社員がわたしの直前に正社員に切り替わった
- リーマンショックがあって会社の業績が急に悪化した
不運も重なって正社員になること自体の道が閉ざされれ契約も終了してしまいました。
でも嫌な兆候はいま思えばいくらでもあったんです。
就業してみてはじめの3ヶ月で派遣期間を更新するかを決めるタイミングがあると思うので、
- 会社の業績は安定しているか
- 上司や一緒に働く周りの人が自分を応援してくれそうないい人か
このあたりを早めに見極めていきましょう。
職場にいてこの2点に少しでも嫌な予感があればそれは当たってます。
紹介予定派遣なら仮にはじめの3ヶ月の時点で派遣契約を更新しなくても正社員を3ヶ月で辞めるより経歴が傷つくリスクは少ないです。
お試しができるからこその紹介予定派遣なので、周りに気を遣わずそこは割り切って自分の時間をムダにしないようにしましょう。
2018年のいまだったら…紹介予定派遣は選ばないかも
10年前もネットで情報はありましたが、わたしの周りで紹介予定派遣の成功例が多く、いま動けばわたしでも正社員になれるかもしれない、と思ったのがきっかけでした。
いま改めて求人を眺めていると、紹介予定派遣の正社員化の案件は全体的に減ったように感じます。
正社員になりたい人はまず転職サイトで市場価値を知ってからでも遅くない
企業は20代・30代で優秀な人材を即正社員とすることで確保したいのです。
あなたがまだ30代であれば2020年までなら紹介予定派遣ではなく正社員での転職を考えることをおすすめします。
わたしが30代のとき相談にいったのはリクルートエージェント。
正社員ブランクが長い中でも親身になって転職先の候補を探してくれました。
わたしと同じ40代以上であれば、年齢にとらわれないスキルを身につけて派遣社員で今後も必要とされるスキルや振る舞いを身につけましょう。
それが派遣社員で仕事に就けなくなるリスクを減らし、副業やうまくいけばフリーランスの道を切り開くことにつながっていきます。