会社員でも副業をしていれば個人事業主開業届と青色申告承認申請書をセットで出してフリーランスに
「You、なっちゃいなよっ!」
という話を当サイトではしておりますが。
「フリーランスになっちゃうことのデメリットは本当にないの?」
と疑いの気持ちを持っているかたもいることでしょう。
確かに、会社員が副業をはじめたら猫も杓子も開業したほうがいいわけではありません。
これからあげる条件に当てはまる人は、個人事業主開業申請はちょっと待った!!
ほうがいいかもしれません。
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(1)1年以上働いた会社を近々退職する予定がある人
会社員(派遣社員を含む)やフリーターでも週20時間以上働いている人は、会社(派遣会社)で雇用保険に入ってるはずです。
1年以上雇用保険の被保険者だった人は、労働者が職を失ったときにハローワークで所定の手続きをすると次の就職先が決まるまでの生活費の手当を「失業保険給付金」というかたちでもらうことができます。
退職理由や年齢にもよりますが、給付は1ヶ月につき直近の月収の5〜8割。
失業保険給付は、収入元がその会社しかない人が職を失ったときにもらえます。
これまでの日本では就職した会社一社で働くことが当たり前だったので、会社を辞める=収入源が無くなるという前提のしくみになっているんですね。
逆に、個人事業主開業届を出していること= 起業している「自営業者」です。
日本社会における個人事業主開業届を提出している人の身分は立派に「自営業者」になります。
ですので、いくら会社で他の社員と同じように働いて同様に雇用保険を毎月納めていたとしても、「自営業者」に失業保険の受給資格はありません。
これ、「個人事業主でも失業給付もらえた」と書いている記事が複数あったので、2018年にハローワークで確認してきたらそのような回答でした。
もし会社員と兼務で個人事業主でも失業保険給付を受けたい人は、ハローワークに個人事業主の廃業届を出していることがわかるように、廃業届のコピーの提出を求められます。
派遣社員は契約満了なら7日間の待期だけで給付が開始される
失業保険は、会社の早期退職制度などを利用した会社都合退職や派遣の契約期間満了なら7日間の待期期間の後、第1回目の認定日に失業認定されればすぐ受給が開始されます。
自己都合退職の場合は、待期期間7日間に加えて3ヶ月の給付制限がつくので、退職してから3ヶ月と7日は失業保険の給付は開始されません。
派遣社員の場合、派遣先から契約更新の打診があったのにもかかわらず辞退しその派遣会社とは派遣契約満了でそのまま退職するといったことがよくあると思います。その場合も給付制限はつかずに7日間の待期期間を経ればすぐ受給が受けられるようになりました。
(具体的には、派遣会社から送られてきた離職票に記載された退職理由が「2D」であればそれに該当します)
日付上では2018年9月30日付で退職となった場合、翌日10月1日に手続きに行けば7日の待期を経て10月8日から受給開始できるということですね。
なお、雇用保険は離職日から1年を経過してしまうと受給資格を失います。
派遣を辞めたからすぐ開業届を出しちゃった!というのはちょっともったいないケースもありますので、開業届を出すタイミングは失業保険を受けながら就職活動をしてみてからでも遅くありません。
(2)帳簿作成にとにかく時間を取られたくない人
確定申告が必要なラインは「雑所得が年間20万円以上」です。
20万という数字がひとり歩きしてつい誤解しがちなのが、売上が20万以上になったらすぐに開業して確定申告しなくてはいけないのか?ということ。
そうではありません。
目安となるのは「雑所得-経費」が20万円を超えているのか、いないのかです。
例えばサイトからの売上をあげるために、サーバーをレンタルしたり、書籍を買って売上向上につながる勉強をしたり、取材や打ち合わせの交通費などは全て経費になります。
例えば記事を書くために文章や写真の編集をするために購入したソフトウェアやカメラなどの消耗品や、旅行サイトの委託で北海道の記事を書くために北海道へ取材に行ったら飛行機と宿代の5万などは全て経費です。
その経費を売上から引くと20万の純利益ってけっこう稼がないとなかなか到達しない金額です。
経費はどのくらいになるのかは、1年通して活動してみないとどのくらいの規模になるか見当がつかないかもしれません。
もしあなたが実際に開業届を出そうか決めかねているのであれば、直近3ヶ月の「経費になりそうなこと」の金額と売上をExcelで計算してシミュレーションしてみることをおすすめします。
シミュレーションをしてみて、3ヶ月の売上-経費が5万円以上なら開業してください。
っていうか、しないと万が一税務署に見つかったときに、所得はないと言い切ることができません。
でももし純利益が20万行かないのに開業してしまったとしても、黒字が出せないのは恥ずかしいけど落ち込むことばかりではありません。
仮に経費が売上を上回ってしまい収益マイナスの赤字だったとしても、赤字は3年間繰り越せます。
ちゃんと1年間複式簿記をつけて確定申告をした行為は確実に報われますので、安心して開業してください。
とはいえ帳簿作成は時間がかかります。
マネーフォワード確定申告などのオンラインの会計サービスは便利です。
【関連】簿記が苦手な会社員でもはじめられる!マネーフォワードクラウド確定申告
会計システムや帳簿作成に慣れない中で調べながら入力していくので、はじめはかなりそれに時間を取られます。
しかし帳簿作成の試行錯誤は会社員で副業で事業規模の小さいうちから経験しておくと、フリーランス専業になってからバリバリ仕事をしたくなってから始めるより帳簿の作成を効率よくできるようになります。
とはいえ、開業しないならしないで帳簿作成と確定申告の手間が一切ないというのはやっぱり、もう、気軽です!
純利益20万までの人は、節税効果を期待して青色申告をするか、必要なことは必要になってからやるか天秤にかけて決断されることをおすすめします。
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